SM規格とはどのようなエンジンオイル? |
SM規格エンジンオイルはあくまでも環境対策オイル |
●改良の目的は3点
@、酸化安定性を高める
A、燃費を向上させCO2の排出量を減らす
B、有害排出ガスを抑える為、リンや硫黄分の含有量を減らす
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●上記の改良によって何が変わるか
@、排気ガスをきれいにして触媒装置を長持ちさせる。
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●燃費はどれくらい改良されたか
@、BPオイルの発表では0.3%。
A、つまり100km走ってたったの300m。
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●リンや硫黄分を減らしたことは正しいか
@、減らした分、排出ガスはきれいになる。
A、しかし、エンジンオイルの主な作用である潤滑性を担っていたのはリンや硫黄である。
B、したがって、専門家の間でも環境には良くても、エンジンにとって好ましいかどうか分らないというのが大多数の意見であり、エンジンの寿命について確かなデータはない。(特に動弁系への影響が懸念されている)
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●SMエンジンオイルは年数の経った車輌にもつかえるのか
@、近年の車のエンジン構造の違いやエンジンそのものの劣化によっては却ってトラブルを発生させる危険があり、旧型車にSM規格エンジンオイルの使用は不安要素が多い。
A、実際にトラブルが発生してもユーザーにはSM規格エンジンオイルのせいであると立証できない。立証するには客観的に判断できる科学的データが必要。
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●SLやSMのAPI規格とヨーロッパのACEA規格はなぜ統合されないのか
@、決定的な違いはヨーロッパ規格は有害な亜鉛についても規制が設けられているが、亜鉛を全く含まないオイルはヨーロッパのメーカーしか生産技術をもっていない。
A、日米のオイルメーカーのベースオイルを使用している限り、ヨーロッパ規格に合格できない。
B、したがって日米はヨーロッパ規格とは別の規格を設定して、亜鉛については無視したエンジンオイルを作ることで生き延びてきた。ヨーロッパ規格を取得したくても現在のところ技術的に不可能。
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【覚えておきたいこと】
@、SM規格はあくまでも環境対策エンジンオイルであり、エンジンに良いかどうかは別次元の話。
A、SM規格に最適なエンジンは今後開発されるのであって、これまでのエンジンに使用してどの程度効果的かは判断できない。
B、旧型車にいたっては低排気ガス効果も期待できないうえ、トラブル発生の可能性があるので避けるほうが賢明。
C、SM規格エンジンオイルが優れているのは環境対策にたいしてであって、運動性能が向上した訳ではない。
D、純正エンジンオイルはお手ごろ価格のエンジンオイルであって、高性能エンジンオイルとは言い切れない。
E、何が何でもSM規格を手に入れようとするのは正しくないし、もしもお店で勧められても店員は正しい知識を持っていない確率が高い、と考えるのが妥当。
F、どうしても、と勧める店員に対してはひと言「ヨーロッパ規格のベースオイルとSMのベースオイルの違いはなんですか?」と聞いてみてください。ちょっとイジワルですが、「亜鉛の規制」と即座に正しく答えられる人であれば立派です。
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